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対象:労働問題・仕事の法律

角森 洋子

角森 洋子
社会保険労務士

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申出後2週間で辞めることができます。

2011/04/25 06:05

 民法第627条第1項には、「当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から2週間を経過することによって終了する。」と規定されています「いつでも」とは、どのような理由であっても解約できるということを意味します。
 
 使用者からの解約(解雇)の自由は修正されて、「解雇は客観的に合理的な理由及び社会通念上の相当性を要する」(労働契約法第16条)と明文化されています。また、労働基準法第20条により、解雇の予告期間についても修正され、少なくとも30日前の予告が必要です。
 労働者からの解約については、依然として退職の自由が保障されています。長期にわたって継続する労働契約について、その解約を制限することは、人身拘束をもたらすおそれがあるという理由によるものです。
  
多くの就業規則は、例えば1か月前の退職申出を求める規定がありますが、通説・判例によると、民法第627条1項後段は、片面的強行規定、すなわち、労働者側からの解約についてはその自由を保障され、2週間を長くすることはできないということなので、そのような就業規則の規定は無効ということになります。
  
 法令の規定には、強行規定と任意規定があり、民法の条文の中にはそのことが明記されているものもありますが、民法第627条第1項についてはこれは強行規定であるとは明らかにされていません。そのような場合は、規定の趣旨から判断していずれであるかを決めなければならないということになります。我妻栄(民法学者)の「民法講義 債権各論中巻二」に「解約申入の右の期間(猶予期間・予告期間)は労務者の生活の安定をはかるために、労務者にとっては強行規定と解するのが通説である。」と書かれています。

 裁判例では、就業規則の変更による、退職の申出期間について使用者のための延長が許されないとされた高野メリヤス事件(東京地判 昭和51.10.29)があります。裁判所は、労働基準法は労働者が退職しようとする場合にこれを制限する手段となりうるものを極力排斥して労働者の退職の自由を保障しようとしているものとみられ、民法第627条の予告期間は、労働者の辞職についてはこれを延長できないものと解するのが相当であると判断しています。

労働者
就業規則
退職

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この回答の相談

退職したいのですが、ご相談よろしくお願いします。

キャリア・仕事 労働問題・仕事の法律 2011/04/24 23:23

転職活動をしていましたが、急遽、5月30日から新しい会社で働けることが決まりました。従って、4月21日に、新しい会社に入社する一週間前の5月23日に退職したいと申し出… [続きを読む]

naga9898さん (千葉県/29歳/男性)

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