上顎だけの矯正治療について

barbadosさん、こんばんは。清村矯正歯科の清村です。

ご質問にお答えします。

　一般的に上の前歯が出ている（上顎前突）の矯正治療で、上アゴにだけ装置をつけて治療が出来ない理由のひとつは、４番目の歯（小臼歯）を抜歯して前歯を後退させることで奥歯も初めの位置から少し前に移動するため、咬み合せが変化するからです。変化した上の歯ならびに合わせて咬めるようにするために下にも装置をつける必要があるわけです。
　また、多くの上顎前突の場合咬み合せが深すぎたり（下の前歯が上アゴの裏の歯ぐきを咬んでいる）、浅すぎたり（上の歯と下の歯がかみ合っていない）といった問題があり、このような症状は下の歯も動かさないと正しいかみ合わせにはなりません。　
　下の歯並びがきれいで、上の前歯以外の歯並びや咬み合せに全く問題がない場合、矯正用のインプラントを使用して前歯だけを後退させたり、インビザラインなどのマウスピース状の装置を使えば上だけの矯正治療も可能かもしれませんが、そのようなケースはほとんど見受けられないため、一般的には上下両方の歯に矯正装置（ブラケット）をつけて治療を行っているのが現状だと思います。

　barbadosさんが受診された先生も矯正治療の専門の先生のようですから、このようなことは当然ご存知のはずです。その上で、上だけ装置をつけて治るとおっしゃっているのであれば、治療計画として問題ないのかもしれません。
　ご心配なようでしたら、もしこの治療方法で満足いく結果が得られない場合はどのようにするのか（下にも装置を追加するのか？治療費はどうなるか？など）を確認しておいたほうがいいかもしれません。
　それでも、まだ不安であれば他の矯正歯科専門医院（一般の歯科治療は行っていない）の先生にも診ていただいたらいかがでしょうか？


清村矯正歯科
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院長　清村　多