対象:矯正・審美歯科
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高 大松
歯科医師
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後戻りと保定
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矯正治療(動的治療/装置を付けて歯を動かす時期)が終わると、保定(ほてい)に移ります。
保定は動的治療終了後に歯を支えている骨が落ち着くまで保定装置を使って様子を観る期間です。
矯正治療で歯を動かすと言うことは、歯を支えている骨が改造されて三次元的に歯の位置が変化するということです。
動的治療終了後に矯正装置をはずすと、歯は元の位置に戻ろうとして動く場合があります。
それを収めるために保定装置を使用してもらいます。
しかし、保定装置を永年使用して骨が固まっても、歯が動くことがあります。
これを後戻り(あともどり)/relapsと言います。
後戻りの原因としては、完成した咬み合わせが患者さまの機能とマッチしないために起きたり、歯軋りの影響で起きることも多々あります。
治療の終了時に歯並びが見た目上綺麗に整っていても、それが患者さまの使い方に合った歯並びかは100%判りません。
また、後戻りを防ぐために保定期間を何年も行うクリニックもあります。
それ以上に生涯、永久に保定装置を使い続けなければいけないと言うドクターもいるみたいです。
それでは何のために矯正治療をしたのかわかりませんよね。
それこそ保定装置を一生使うために矯正治療をしているのと同じことになりますね!
日本自然派矯正歯科センター
大松矯正歯科クリニック
院長 高 大松
JR巣鴨駅前
http://www.4180.jp
補足
私の考えでは、動的治療終了後に咬合が患者さまの機能と調和していれば、保定は必要ないと思っています。
動的治療終了時での100%パーフェクトなフィニッシュ(矯正治療の終了)は誰にも判りません。
出来る限り患者さまの機能に調和した治療を目指していますが・・・。
ですから最低限の保定として一番弱い力での保定装置を患者さまにお願いしています。
実際には細いワイヤーを歯の裏に接着しています。
患者さまにほとんど違和感もなく、多少のフレキシビリティー(多様性)もあるので後戻りを防止しながら、患者さまの機能に合った位置に歯が動くことをも期待しています。
患者さま自信で自分の咬み合わせを作って行くという概念です。
つまり、使い込んで行く事でさらにその人にとってより良い口腔内環境がご自身で作れると思います。
その手助けをするのが、我々矯正医の仕事だと思います。
人間の体は常に変化しています。咬み合せも目に見えない部分で少なからず変化して行きます。
一生涯同じ状態でいることは不可能です。(エージング/加齢)
ですから、動的治療終了後の後戻りについてはある程度寛容でいた方が、
本来の人間の機能にマッチして行くと思われます。
(後戻りの程度にもよりますが・・・)
評価・お礼
vividdd さん
2011/03/04 13:31
とても丁寧で分かりやすいご回答ありがとうございました。
やはり葉並びが元に戻ってしまうことは、より自然に生きるための体の作用として仕方のないことなのですね。
高先生のされている保定装置にとても興味が持てました。
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この回答の相談
はじめまして。
5年ほど前に歯科矯正をしたのですが、
器具を外してからの一年間、夜のみ装着する器具のようなものをつけていました。
しかし、それをやめてからというものの、少しづつ… [続きを読む]
vividddさん (東京都/19歳/女性)
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