対象:インプラント・歯科口腔外科
晝間 康明
歯科医師
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顎変形症:骨格性下顎骨左側偏位及び下顎前突症
こんにちは.東京都立川市ひるま矯正歯科の晝間康明です.
御自身の症状について詳しく記載されており,回答する側にとってはとてもありがたく思います.
上記の記述内容から,顎関節症を伴う骨格性下顎骨左側偏位及び下顎前突症と考えます.
顔が左に曲がったり下顎が突出してきた原因は成長により下顎骨が前方かつ左側にか成長した事によるものと思われます.この様な骨格的に大きなズレを伴う成長は,咬み癖や乳歯脱落の遅れ,フルート演奏などと言った後天的な要因より,先天的な成長のプログラムにより組み込まれている部分が大きく防ぎようがありません.特に中学生で身長が伸びるとともに下顎骨が成長し下顎前突が強くなったり偏位が強くなる事は良くある事です.
治療法としては,外科矯正により改善可能と思われますので外科矯正が可能な矯正歯科医に相談されると良いでしょう.一般の矯正は保険が適応されませんが外科矯正は保険が適応可能です.しかし,保険適応出来る歯科医院は都道府県知事による顎口腔機能診断施設の認定が必要となります.認定を受けている医院はホームページなどに記載されているので事前に調べて受診される事をお勧めします.
また,上顎の前歯がうしろに下がっている状態は叢生による上顎側切歯の口蓋側転位と思われますが,叢生の原因は顎骨に対して歯が大きすぎる事であるため,抜歯により顎骨内にスペースを確保して矯正治療を行なう可能性が高いと考えます.なお,一般的な抜歯部位は口蓋側転位している側切歯ではなく犬歯の後の第1小臼歯になる場合が多いのですが症例により異なります.
なお,顎関節症は顎変形症の原因ではありませんが顎の変形を修飾する因子とはなりうるものです.したがって顎関節症を改善したからと言って顎変形症は改善しませんが,顎関節症の管理は必要でしょう.また,顎関節症の治療は世界的に見ても確定的な治療法が確立されておりません.しかし,様々な論文では対症療法的な治療をする事で時間の経過とともに改善する可能性が高いと報告されていますのであまり心配されなくても良いでしょう.
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こんにちは。高校1年生の桃奈と申します。
私は中学に入ってから吹奏楽部に入部しフルートを吹き始めました。
その時期からだんだんと顔が極端に左側に曲がってきました。
もともと小学生の時に、右… [続きを読む]
桃奈さん (福島県/16歳/女性)
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