対象:ペットの医療・健康
発作、あるいは発作様の症状
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はじめましてアレス動物病院の沖田と申します。
1. てんかん発作、水頭症、脳の炎症、腫瘍などのような脳の問題
2. 心不全、の発作
3. 気管虚脱など呼吸困難からの発作
4. 首の椎間板ヘルニアなど脊髄の問題
5. 肝疾患、腎疾患、低血糖、低カルシウム、低カリウム、高アンモニウムなど内臓疾患から起こる発作
これらがよく飼い主さんが「発作」と表現されるものなのですが、これを見極めるのはなかなか難しいと思います。
5に関しては、血液検査などである程度分かると思います(もしかしたらすでに主治医の先生がされているかもしれませんが)。
2~4に関しては胸部や脊椎のレントゲンで診断がつくかもしれません。
これらの検査で2~5の可能性を否定しきったときに初めて1の可能性を考えるということになります。
1に関しては、MRIなど特殊検査が可能な病院で診療を受けなければいけないかもしれませんが、まずは主治医の先生と相談しながら2~5の可能性を除く作業から始めるのがよいのかもしれません。
また、発作は起きないに越したことはないのでしょうが、もし発作が起きたら、これを携帯の動画などで録画し、主治医の先生に診てもらうと、さらに原因が絞られるかと思います。
また発作の前駆症状(発作の予兆)として嘔吐をする場合もありますし、嘔吐や興奮をきっかけに脳圧があがって神経症状が起こる可能性もあります。
心不全や呼吸器疾患の場合は一見吐き気のような咳をしたり、白や透明の泡を(肺から)吐いたり、あるいは咳に誘発されて嘔吐が起きる場合もあります。
そういう意味では、嘔吐との関連から発作の原因を考えるのは、難しいのかもしれません(診断するうえでもちろん考慮する必要はあるのですが)。
発作あるいは発作様の症状を示す病気は意外と多く、また物言わぬワンちゃんだからこそ、本当の気持ち(痛いのか、呼吸が苦しいのか、目が回っているのか)を聞き取れないので、容易には診断ができません。
可能性のある病気をすべて挙げ、検査と治療を繰り返して原因を絞り込むという、気の長い作業が必要となります。
場合によってはMRIなどの検査が必要になることもありますが、まずは主治医の先生の協力を仰ぎ、一般の病院で絞り込めるだけ絞り込んで、それでも駄目な時に2次診療の門をたたくことを考えてもよいのではないでしょうか。
評価・お礼
こいち さん
2010/12/04 01:14沖田先生 わかりやすい説明をしていただいてありがとうございました。
回答専門家
- 沖田 将人
- ( 富山県 / 獣医 )
- アレス動物医療センター センター長
地域に密着したワンランク上のホームドクターを
アレス(Alles)とはドイツ語で「あらゆること」を意味します。インフォームドコンセントの充実、年中無休、CTスキャナ導入など動物たちの幸せにつながることなら、飼い主様のあらゆる要望にお応えしたい。そんな願いを込めて診療に取り組んでいます。
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7歳になるオスのチワワを飼っております。
先月、11月に白い泡状の唾液を一回吐き出し、その後二回目も吐こうしていたのですが我慢して白い泡… [続きを読む]
こいちさん (長野県/32歳/女性)
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