対象:インテリアコーディネート
石川 嘉和
建築家
-
造作材の納まりや材料・仕上げ方法の検討から入っていきます
- (
- 4.0
- )
邑都(ゆうと)設計工房の石川と申します。
和室と洋室の融合というのはいつも悩むところですね。
違和感なくつなげる方法としては
(1)造作材を共通化する
(2)納まりを近づける
(3)仕上げを共通化する
(4)和室洋室の間に緩衝空間を設ける
というものです。
(1)の造作材は、その部屋のイメージを決定づける重要な要素で、ヒノキの素地とオークのステイン塗装では全く雰囲気が変わりますよね。ちなみに、ここでいう造作材とは建具枠・幅木・天井廻縁などの総称です。
(2)の造作の納まりは、その造作材の寸法や形状などのことですが、寸法の大小で荘重な感じから繊細な感じまで受ける印象が変わりますし、その納まりを見ただけで、いかにも洋館、といった感じのものから、すっきりとした和室、もちろんその中間の様々なバリエーションまでいろいろなものがあります。
(1)(2)はいずれも造作材についてのことで密接に関連しています。ここをまとめられれば、あとは比較的スムーズに計画できると思います。
和室洋室を違和感なく融合させるための比較的よく使われる方法としては、和室の造作材の納まりや材料に、洋室のそれを合わせていくというやりかたです。欧米のインテリアで見かける和風テイストの居室も基本的にはこのスタイルです。白木の造作材で構成し開口部にはカーテンの代わりに障子をいれたりします。
逆に荘重な感じの太めのオークの造作に濃い茶系のステイン塗装を掛けた造作材の洋室に和室を合わせていくときは、和室の造作にもステイン塗装を施し民家調に仕上げていったりします。
(3)(4)については比較的理解しやすいと思いますので細かな説明は省きます。
写真は最初のものが和室をベースに洋室をそれに近づけるというもので、和室と洋室の間に緩衝的なスペースをはさんでいます。この部分は造作材なし(ついでに建具も襖の枠をなしに)にして、和室の方も建具の襖は枠なしに合わせています。
写真の2番目のほうは太目のオーク(日本のナラ)を造作材にした洋館のような部屋にあわせて和室も和室にしては太い寸法の杉材に濃い目のステインをかけ洋室にあわせたものです。
また、設計(デザイン)と施工を分けて発注するのは一般的に行われています。
評価・お礼
aoi18as さん
アドバイスをいただきどうもありがとうございました。
教えていただいた内容は素人の私には
まったく想像つかなかったことなので、
とても参考になりました。
漠然としていたイメージがなんとなくまとまってきました。
デザインも分けて発注できるとのことですので、
デザイナーに依頼することも視野にいれて
すすめていこうと思います。
石川 嘉和
参考にしていただければうれしいです。
たしかに「造作材」とインテリアの関係はあまり意識されていないかも知れませんね。造作材の材種・仕上・納まりなどの組み合わせのバリエーションの幅はとても広いので、ここは思案のしどころですね。
フランス風とはちがうかもしれませんが、以前のQ&Aで和室洋室のつながりに関連してお答えしたことがありましたのでそのときのURLを参考に載せてみます。
http://profile.ne.jp/ask/q-104968/
(現在のポイント:-pt)
この回答の相談
マンションのリビングと和室の内装リフォームを計画しています。
カーペット敷きのリビングはフローリングにし、
フレンチスタイルの上品な感じにしようと考えています… [続きを読む]
aoi18asさん (神奈川県/35歳/女性)
このQ&Aに類似したQ&A