対象:住宅設備
森岡 篤
建築家
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日影にすること、水を蒸発させる
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yoro49さん、こんにちは
パルティータ建築工房の森岡と申します。
太陽は、季節によって高さ(角度)が変わります。
冬は低いのですが、夏は高くなります。(80度近く)
アスファルト舗装面も同じなのですが、水平に近い陸屋根では、真夏の表面温度は、60~70℃に達します。
室内の快適温度が28℃程度としても、温度差が40℃にもなると、断熱をきっちりやっても、それだけでは不足で、時間の問題で、最上階の室内温度は上がってしまいます。
特に今年は記録的な暑さですので、3階は猛烈に暑いのではないでしょうか。
最上階の暑さを軽減するための1つ目の方法は、屋根面に直射が当たらないようにすることです。
建物を日影にすることができれば、日影部分は外気温近く40℃位に、直射面より30℃近くも下がります。
日影にするためには、例えばテントのように断熱はなくても良いのですが、テントでは台風等、強風で飛ばされてしまいます。
建物を日影にするのは、建築的になかなか難しいのです。
建物は鉄筋コンクリート造でしょうか。
荷重が許す範囲で、陸屋根にスノコ状のものを載せ、日影にして、かつ暑い空気が溜まらないよう通気と効果があります。
日影でも、外気温より気温が下がることはありません。
さらに下げるためには、水を蒸発させ、気化熱を奪うことで可能となります。
水をまくと涼しくなるのは、水で冷やされることより、水分が蒸発することによります。
屋上緑化は、植物から水が蒸発することで温度を下げ、下階の温度を下げるのに、非常に効果的です。
例えば、芝生の場合、炎天下でアスファルトの温度が70℃でも、芝生の内部温度は、外気温とほとんど変わりません(35℃程度)。
東京の杉並区役所では、毎年壁面全体を緑化し、室内気温を下げています。
http://www.kankyou.city.suginami.tokyo.jp/curtain/index.html
屋上緑化をするためには、給水設備と屋上の荷重が問題ですね。
参考にしていただけたら幸です。
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評価・お礼
yoro49 さん
森岡様
丁寧なご回答有難う御座いました。
温度差が40℃にもなるなんて知らなかったです。暑いはずですね。
水を撒けば少しは温度が下がるかなと、ペットボトルに水を入れて
1階からせっせと何本か運んで撒いてるのですよ。
涙ぐましい努力です。
やっぱりすのこ状のものはいいのですね。
屋上緑化はすごく魅力的なのですが、なかなか大変のようで。
杉並区の緑のカーテンはすごいですね。
区役所の方の頑張りが素敵です。
有難う御座いました。
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この回答の相談
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yoro49さん (大阪府/42歳/女性)
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