対象:心の病気・カウンセリング
国府谷 明彦
厚生労働省認定 産業カウンセラー
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検査自体でなく検査の実施法に疑問がありますから,心配無用です
こんにちは。カウンセリングルーム聴心館 国府谷です。精神医学や脳神経科学をベー
スに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています(医療行為は致しません)。
ryoutarouさん,悔しい思いをしましたね。屈辱と劣等感を感じたこと,毎日が憂鬱というお気持ち,お察しします。この気持ち,どこでどう処理したらいいのかと感じられていることと思います。
知能検査のことを少しお話ししたいと思います。知能検査を含めて心理に関する検査を心理アセスメントと呼びます。
心理アセスメントにおいては,検査自体の妥当性(結果からの推論が適切か・有用か),信頼性(それ自体の誤差が少なく安定しているか),効率性(実用性がどのくらいあるか)があるものを使って行なわなければなりません。最近の心理アセスメントにおいて使われるテストは,多少時代が古くなり,テストそのものは有効でも,判断の根拠となるデータが古い物であることが多くなっています。また,知能テストについては,検査そのものはすべての年齢で有効なものですが,データ収集が若い年齢に厚く収集されているものが結構あります。
どんなテストが行われたのかが不明ですので一概には言えませんが,テストそのものが,純粋に,適切妥当なものかどうかという疑問があります。
一方で,インフォームド・コンセントの見地からすると,検査する側がどういう性質の検査であるのか理解し,検査目的が何かを検査される側に伝えているのか,検査される側の同意を得ているか,などが重要な項目になります。
知能検査は,本来,脳のごく一部の機能を検査するものに過ぎません。すべての知能が測定できるものでも,人格すべてを測定できるものでもありません。また,検査結果からの推論はひとつの可能性を示すだけのものです。検査する人間は,そのことを理解して検査をしなければならないのですが,文面から察するに,この臨床心理士はそうした点の理解を欠いているように見受けられます。
何のためにどういう手段を使って検査されたのか文面からは不明なのですが,少なくとも検査を受けたryoutarouさんの心の中にこうした感情を残しているようならば,検査の実施法に問題があるように思われます。その意味で,結果を気にすることはないと思います。
説明をお聞きになって,ryoutarouさんのお気持ちはいかがでしょうか?
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この回答の相談
病院で若い女性臨床心理士に目の前で知能検査され、知能が低いという診断を受けました。もう一年以上経ちますが、いまだに屈辱と劣等感が心を苦しめ毎日が憂鬱です。私は、阿保のレッテルを貼った臨床心理士が憎くてたまりません。どうしたら普通の心理状態に戻れるのでしょうか。
ryoutarouさん (大阪府/56歳/男性)
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