遺伝的素因とともに発症しない環境づくりをお勧めします

　こんにちは。カウンセリングルーム聴心館　国府谷です。精神医学や脳神経科学をベースに認知行動療法を中心とするカウンセリングをしています（医療行為は致しません）。カウンセラーの立場からは，判断することは医師法での診断に該当するため，直接的な表現は致しませんのでご了解下さい。

　ご主人の親族，特に女性の親族に統合失調症の方が多いと言うことで，出産について悩んでおられると言うことですね。お気持ちお察しします。ご自身の生んだお子さんが統合失調症になる現実を考えると，何かと心配になると思います。

　ummemomoさんがお話しされているように，遺伝的な発病率は約10％ですが，基本的に発症についての男女の性差はありません。ただ，umemonoさんのご主人の家系での統合失調症が女性に発症率の多い特殊性を持つと言うことはあるかもしれません。また，男性の方が発症の時期が早く，また，症状の進展も早いという傾向もあります。

　また，統合失調症は，遺伝的素因をもつ方に環境的なストレスが加わって発症すると考えられています。妊娠中の合併症や胎児がインフルエンザにかかること，また，出産が冬期であることもストレスとなります。また，生育期の家庭環境から発症することもあります。両親の不仲や家族のいさかいが多いこと，あるいは，母親が過保護であることも発症の要因になります。円満穏やかにお子さんが自立していくことが大切な要素です。

　お話からすると，現在，ご主人にも遺伝子的な意味では比率は小さいとは思いますが素因をお持ちであると思います。でも，健全に成長された結果として発症されていませんよね。おそらく，umemomoさんとのご結婚で，お子さんが持つ遺伝子的な意味はさらに小さくなっていると思われます。仮に女の子であっても，可能性は小さくなっているのではないでしょうか。

　一方で，環境的なストレスの要素をなくすような努力が大切でしょう。妊娠中のインフルエンザはもとより，飲酒や喫煙などでのストレス，生育時の環境に配慮されることが大切と思われます。産み分けの努力よりも発症させない環境作りに注意を払われることをお勧めします。

　妊娠出産までは，産婦人科医師にご相談されると良いと思います。また，私共でもこうした意味でのご相談はいつでもお受けしますので，お気軽にどうぞ。良い未来となるよう願っております。

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