対象:住宅設備
吉田 豊
住宅設備コーディネーター
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まだまだ誤解が多いようです。
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ご質問ありがとうございます。
久しぶりに本職の質問が来ましたので気合が入ってしまいます。
>導入コストも今以上に廉価なものになるのでしょうか?それとも、現時点とあまり大差ないのでしょうか?
おっしゃられる通りまだまだ発展途上です。しかし実用性という見地から見ますと効率や耐久性、対費用効果も考えても既に実用的になって来ています。
もちろん設置する条件や設置費用にもよりますが北面や影など余程の悪条件が揃わない限りほとんどのケースで設備費用の回収は見込めると思います。まだまだ誤解が多い業界です。
設置角度は30度が理想とされていますがあくまでも理論値で角度が急な方が太陽電池パネルが冷やされてか発電が良い場合もあります。
導入コストもおっしゃられる通り数年先まではおそらく大差はないかと思います。
価格は下がってきていますが、補助金も同様に下がりますし、住宅の寿命が決まっている以上導入メリットも年々減ってしまいますので、通常ですと値段が下がるのを待っているより早く設置してしまった方がお得になる場合が多いのです。
太陽光電池も将来的には薄膜系が主流になるのではないかと昔から言われていますが、結局のところ耐久性や生産量の関係で結局結晶系の方が現状では割安となっています。
>設計段階であらかじめ敷設しておいた方がよいものなどはあるのでしょうか?
設置予定面の瓦を一枚配線瓦と言う配線を家の中に取り込む為の瓦の敷設をお勧めします。
配線瓦は瓦屋さんや電気屋さんではなかなか手に入らないので近くの太陽光発電システム専門店にお願いすれば購入できると思います。葺くのは簡単ですがしっかり防水をしておいて下さい。
配線を通す為の配管を分電盤の近くまで余裕を持って通しておくと良いと思います。配管の太さは太陽光発電システムの系統数によって全然違ってきます。メーカーが確定していない段階では出来るだけ太めの配管をしておかないと折角敷設しても工事のとき線が通らなくて結局露出配線工事になってしまうケースも少なくありませんので注意して下さい。
分電盤も太陽光発電用分電盤にしておけば後からブレーカーBOXの工事も必要なくなりますし見た目も少し綺麗になります。
補足
その他は
・瓦は特殊な瓦にせず一般的な瓦にしておくこと
・屋根は出来るだけ南面を大きく取る屋根にすること
・屋根の形状は切り妻が可能なら寄棟ではなく切り妻にすること
です。
陸屋根の場合はRCの場合は架台とパネルの他にベースレールや基礎工事が追加になりますし限られた住宅用のスペースの場合は流れ方向に垂直は水平にしか設置出来ない場合も少なくないので十分な日照を確保するためには家の向きが重要になります。
陸屋根ALC構造体の場合ほとんどのメーカーが施工不可(10年保証対象外)となりますので新築で設置する場合は傾斜屋根の方が良いかもしれません。
しかし陸屋根設置は太陽光電池パネルが風の影響で冷やされ易く思いのほか発電する場合も少なくありません。
一番注意しなくてはならないのは施工です。太陽光発電システム製品自体はメーカー品である以上どこで購入しても変わりはありませんが施工技術は職人によって大きく開きがあります。
また昨今の補助金制度の補助対象購入価格の制限により利益を圧迫された業者による施工品質や施工部材の品質低下による手抜き工事が原因で雨漏りをしたり、安全対策が不十分であったりと最近全国で問題になっております。
未だ経済産業省と国土交通省の足並みが揃っていません。
以上の理由から設置の際は確かな施工技術を持った専門店での施工が重要です。
アフターサービスもチエックしておけば完璧です。
またガス=太陽光発電はダメと言うわけではありません。
ガスと併設しましても環境や経済的にもメリットはある場合がほとんどです。
料理もガスの方が比較的おいしいとされる料理とIHの方が比較的おいしいとされる料理がありますので両方のショールームに行っていろいろな機種で試して見るのが良いかと思います。
どちらにしましても、現在は国や地方自治体から補助金が出ていますし、FIT制度(固定買取価格制度)もありますのでチャンスではあるかと思います。
一度近くの専門店で導入メリットのシミュレーションをして見るのをお勧めします。
それからゆっくり検討されては如何でしょうか?
太陽光発電は国家政策で20年後にはほとんどの住宅に設置する計画があります。
環境問題も待った無しですし、この機会に一度正確な情報を調べて見ては如何でしょうか?
評価・お礼
磯科 さん
本職に関する得意とする質問だったですね。アドバイスの内容の詳しさから気合いが伝わってきました。
細かい部分までのアドバイスに感激しております。
ちょっと心配になったのが、施工ミスによる雨漏りです。仮に数年後に施工することとなると、雨漏りの責任は太陽光発電を設置した施工会社となり、建築中であれば、工務店がその責任を負うこととなるかと思いますが、できれば工務店の方がきちんと責任を果たせてくれそうな気がするので、設置準備するなら、建築中なのかなと素人的には考えます。
そこで質問ですが、太陽光発電の設置について、手抜き工事をしない、信頼のおける会社をどのように見つけていけばいいのでしょうか。
吉田 豊
こんにちは評価頂きましてありがとうございます。
>ちょっと心配になったのが、施工ミスによる雨漏りです。
保証の前にしっかりした工事をすることが大前提なのはもちろんですが
工務店は確かに瑕疵担保保険が10年つけることが義務付けられていますので安心です。
太陽光発電システムの場合商品保証はどこも10年ないし25年ですが、工事の保証が10年間ついているメーカーとついていないメーカーがあります。
ですが施工店の方で施工保証をつけている会社もありますのでその辺りを聞いてからご依頼されると安心かと思います。施工店でも工事保証は国土交通省の推進する瑕疵保証は現在5年が最長です。工事に生産物賠償保険を10年間かけている会社で工事すると良いかと思います。
まともな施工店は保証や施工部材のぶん工事代は少し高いかも知れませんが後から問題が起こることを考えますと安心です。(工事のミスは2次災害も多いです)
>信頼のおける会社をどのように見つけていけばいいのでしょうか。
太陽光発電システムは10年間だけではなく住宅同様、永年使用できるシステムです。
地元ですと道義上は有償無償を問わずほぼ一生保証みたいなものですから、地元の専門業者が良いかと思います。
建築会社さんがいけないと言う訳ではありませんが最近は他業種からの参入が急増し問題が多いの建築会社さんを通される場合は下請けの専門店がどこが入るかが重要かと思います。
あとは私も協力してます、日本太陽光発電組合(JASU)や自治体の環境課、メーカーによっては指定工事店もありますのでメーカーに相談しても良いかも知れません。
専門店は雨漏りだけではなく、電気工事や系統の割り方レイアウトに至るまで一般店では考慮しないレベルまで考えてくれることも少なくありません。出来るだけ経験のある会社が良いと思います。
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