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晝間 康明

晝間 康明
歯科医師

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非抜歯矯正による後戻り

2010/08/08 08:23
(
5.0
)

こんにちは,ひるま矯正歯科の晝間康明です.
保定期間中に前歯部に開咬が現われた状態と想定してお答えまします.

言葉の定義として後戻りとは矯正治療前の状態に戻るような変化,保定期間中の噛み合せの変化とは後戻りとは異なり保定期間中に新たな変化が発生している状態とお考え下さい.

■後戻りについて

保定中の後戻り(噛み合せの変化)の原因として考えられるのは,床矯正により拡大したものの保定期間中に幅が狭くなってきて前歯部が唇側に傾斜して開咬になってきた可能性が考えられます.対応策として,一生保定装置を装着していれば後戻りがしない可能性がありますが,平均寿命を考えると後70年保定装置をつける事は現実的に不可能です.したがって,後戻りした幅がお嬢様の顎骨にとって適正な幅であると考え,その幅に合わせた再矯正治療が必要となるでしょう

■保定期間中の噛み合せの変化について

1.主治医が指摘しているように舌癖により前歯が唇側に傾斜して前歯部が開咬となっている可能性があります.
対応策として舌癖のトレーニングをする事で改善する場合がありますが,経験上あまり効果がないと考えています.
2.保定開始時に第2大臼歯の萌出は完了していましたか?第2大臼歯の萌出が完了していない状態で保定に入ると保定期間中に第2大臼歯が萌出してきて噛み合せが変化する可能性があります.同様に,第3大臼歯(親知らず)が萌出してきている可能性も考えられます.
対応策として第2,3大臼歯の対応も含めた再矯正治療が必要となるでしょう
3.成長による上下顎関係の変化
もし,現在もお嬢様の身長が伸びているようであれば成長により上下顎関係が変化し噛み合せが変化する可能性があります
対応策として現在の顎関係に合わせた再矯正治療が必要となるでしょう
4.顎関節症による変化
顎関節症などにより下顎頭が異常吸収する場合に前歯部の開咬が生じる場合があります
まずは確定診断が必要です.下顎頭の形態を正確に把握するためにCT撮影,下顎頭吸収が落ち着くまで経過観察を行ない,その後に再矯正治療が必要となる可能性があります.

以上,想定される原因をざっと挙げてみましたが矯正専門の歯科医であれば治療経過や術前術後のX線写真や模型を見せて頂ければおおよその見当がつくのでセカンドオピニオンを受ける事をお勧めします.

以上,参考になれば幸いです.

矯正
矯正歯科
開咬

評価・お礼

karakara さん

詳しい回答ありがとうございました。大変参考になりました。
大臼歯は気になるところです。
娘の身長はほとんど止まっています。

補足を付けさせていただきました。
もしお気付きの点がありましたら、重ねてよろしくお願いいたします。

(現在のポイント:1pt このQ&Aは、役に立った!

この回答の相談

子供の矯正後の後戻りについて

心と体・医療健康 矯正・審美歯科 2010/08/07 21:05

初めて相談させていただきます。

現在中学3年生の娘ですが、小学校3年生から4年間矯正をして2年近く前に終了しました。現在は保定期間に入っています。

矯正の内容は、床矯正をして顎を広げてか… [続きを読む]

karakaraさん (岡山県/41歳/女性)

このQ&Aの回答

矯正治療後の後戻りについて 赤柴 豊英(歯科医師) 2010/08/08 21:35
再治療を希望されますか? 清村 多(歯科医師) 2010/08/09 13:35

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