時間をかけながら，徐々にフェードアウトする方法が良いかと思われます。

こんにちは。カウンセリングルーム聴心館の国府谷です。
教え子の母親である女性につきまとわれていること，関係を絶ちたいのだけれどもなかなか方法が見つからずに途方に暮れているお気持ち，お察しします。

私共カウンセラーは，医師法との関係で診断・投薬治療はできないこと，また，ご説明いただいた内容だけでは，確かな判断はできないこと，以上をご了解いただいた上で，少しお話ししたいと思います。

お話しいただいた女性の哲学の道さんへの思い込みが強いこと，こちらの状況にはお構いなくお話しされることなどから，統合失調症における「ある種の妄想」があるように見受けられます。具体的には，「統合失調症」そのものではなく，その変形で「妄想性障害」というものがあります。非常に現実的な「ありそうな妄想」をいだき，妄想以外はごく普通の判断や社会生活ができているというものです。「面倒を見る義務がある」といった妄想に，それに近い匂いを感じます。診断的な言い方はできませんのでご了解下さい。

統合失調症的な妄想がある方の場合，相手を妄想の一部と見るか，脅威（敵）としてみるかのどちらかになりやすいようです。「哲学の道さんに面倒を見る義務がある」という時は前者，「無視ですか？」やどくろマークのメールの時には後者のように思われます。

こうしたケースでは，正面切ってシャッタアウトすることは敵対的になりますし，気を遣って親身になることはどんどんエスカレートすることになり，どちらも適切とは言えません。それとなく対応し，時には「お間抜けな」頼りがいのない人間を装いながら，フェードアウトしていくのがひとつの方法と思われます。

私共のカウンセリングルームにも，面識はないのですが，閉館間際になると毎晩定期的に電話してくる統合失調症の方がいます。それなりの対応をしておりますと，数ヶ月連絡がなくなります。また，しばらくすると思い出したようにかかってくるといったことのくり返しですが，徐々に頻度が少なくなっています。

何か事件や実害が出るようでしたら，ある種のストーカー的な対応も可能と思われますが，現実にはそこまでは行かないのではないかと思います。ちょっとやっかいですが，上手にフェイドアウトすれば，そのうちに哲学の道さんを忘れて身近な別の方をあてにするようになると思います。良い結果となるよう願っています。