対象:住宅設計・構造
岡部 千里
建築家
2
家づくりはバランスが大事。
- (
- 5.0
- )
yue様 お忙しい毎日をお過ごしのことと拝察いたします。
プランニングのこと、お金のこと、設備のこと・・・家づくりで考えなければならないことはたくさんありすぎて、
どうしても、こだわっているところにばかり近視眼的に思いがいってしまうものなのですが・・
全体のバランスでトータル的に考えることがとても大事です。
特に課題の多いyueさんの悩みが大きいのもよくわかります。
ご相談を拝見して感じたこと・・それは、風通しの良い家をつくることが一番大事だろう、ということです。
アレルギー体質のお子様とのことですが・・どの程度なのでしょうか。
化学物質過敏症といって、例えば、新築の家に入ったら気持ち悪くなってしまうほど大変なレベルなのか・・
できれば、自然素材を使いたい、という程度なのか・・。
確かに、しっくいや珪藻土で仕上げた家の中の空気はまろやかな感じがします。
長時間過ごす部屋は別として、廊下や洗面、トイレなど短い時間しか使わない場所は
ビニルクロスでも、通風さえきちんと取れていればそう神経質にならなくとも良いのでは?
逆に、どんなに体に優しい自然素材を使っても、風通しの悪い家は結局、体に優しくありません。
だから24時間換気?!いえ、それは違うと思います。高気密住宅もその考えの逆。
高気密住宅はどうしても一定の温度に保ちたいという思いが働き、
窓開けなどの回数が減るので室内の空気は汚れます、24時間換気していても。
確かに計算上は換気量は足りているのでしょうが、そのお宅に入ると、ちょっと嫌な臭いを感じた経験があります。
コストの高い機械に頼るより、一日2~3回の窓開けの方がずっと効果的です。
また、yueさんが心配している配管の汚れの心配も必要なくなりますね。
また、高齢者のためにヒートショックの少ない家を、とのこと。これは大賛成です。
こんなご相談の時には、太陽熱で家全体を床暖房する『そよ風』をお勧めしています(HPはこちらhttp://www.kankyosouki.co.jp/)。
『そよ風』は第二種換気にあたり、太陽熱で床暖房しながら、常に新しい空気を室内に取り込んでくれます(夏も)。
夏の夜間は涼房といって、涼しい空気の取り込みもしてくれますので、体にやさしい涼しさです。
補足
工事コストですが、無垢材であっても、節ありならそれほど高価ではありませんし、塗装をせずに安価に済ませることも・・。
また、全体面積を小さく押さえながら狭苦しくない家づくりが重要になりますね。
ドアの数の少ない家づくりも、コストを下げる有効な手段です。
また、コストばかりでなく、介護のしやすさに配慮した家づくりも大事な視点です。
介護しやすい家と言いますと、つい、被介護者の視点でばかり議論されがちですが(手摺とかトイレの位置とか・・)、
介護者の癒しを配慮することこそ、うまい家づくりなのでは?と常々思っています。
介護者がダウンしてしまったら、大変なことですから。
こちらの事例が参考になると思います。是非ご覧ください「三世代同居の住まい」http://www.atl3c.com/waka1.htm
評価・お礼
yue さん
大変丁寧なご説明ありがとうございました。私の気持ちを察してくださっていると、とてもうれしく思いました。実家は古い日本家屋で、シックハウスなどとは無縁の環境だったのですが、とにかく夏は涼しいが冬は家の中で上着を着ないといられない、布団から出ている部分が凍りそうな(感じ)のする家で、なくなった祖父が脳溢血で倒れたものですから、今いる祖母と両親は暖かな家に住まわせたいという想いが強くております。介護につきましてもとても参考になるご意見をありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
(現在のポイント:6pt)
この回答の相談
高齢者3名とアレルギー体質で身体の弱い子供1名が快適に住める家を建てたいと考えています。無垢材の仕様は勿論ですが、壁紙も害のないものをと思っています。しかしながら計7名で住む家はそれなりのサイズに… [続きを読む]
yueさん (茨城県/40歳/女性)
このQ&Aの回答
このQ&Aに類似したQ&A